「深慮遠謀」なる言葉がある。
場合によっては「深謀遠慮」
梳化工程などと表現される事もある。
意味としては「 深く考えをめぐらせて、遠い先の未来のことを見通すこと」となる。
何事においても、こういったものがなければならない。
行き当たりばったりやその場しのぎではなく、
未来を明確に描き、それに向けての道筋を少しずつつ立ててゆく。
マーケッティングなどは、
その場、その時に売れるものよ
能恩 りは、
まず、この商品を印象づけると、次ぎに来るこの商品に流れ、
この色合いとともに、次にこの商品が売れるという長期的な見方が必要になってくる。
まさに「深慮遠謀」が必要だという事になる。
将棋の世界から生まれた言葉に「遠見の角に勝機あり」というのがある。
「角」は、近くを狙う駒として使うのではなく、
さりげなく深いところに忍び込ま
嬰兒敏感しておいて遠くの駒を狙う戦法がいいという事らしい。
新聞紙上で「詰め将棋」なるものが掲載し始めたのは、明治40年頃。
ちょうど夏目漱石『虞美人草』の新聞連載が始まった頃と時を同じくしていて、
この詰め将棋を見て、漱石は「狂気の発見」という風に表現したという。
実際に、この狂気が多くの人の関心を集め「詰め将棋」がかなりのブームとなった。
この『虞美人草』は、東京帝大の教授(漱石)がその職を辞し
小説家となった第一作で、まさに「狂気」と呼ぶごとくに話題となった。
三越デパートでは「虞美人草浴衣」が売り出され、
また、あるところでは「虞美人草指輪」が、すぐに売れてしまうという熱狂ぶり。
これらは、小説『虞美人草』のヒットを見てから、
それに便乗して売り出されたものではなく、
書籍が売り出された日と同日に、同時並行で売り出されたもの。
明治という時代に書かれたこの小説とタイアップして、
「深慮遠謀」の販促マーケッティングが出来ていた事になる。
すなわち、
「遠見の角」が睨みをきかせる「狂気の発見」といったところだ。
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